また、米政府はサブプライムローン問題に関して公的資金の投入を渋々決定しましたが、より大きな問題を手を付けられずにいます。
CDS(credit default swap)の問題です。言ってみればこれもサブプライムローンと同根の問題なのですが、企業間のお金の貸し借りのリスクを証券化したもののようです。企業活動に必要な資金を借りた後、その会社が借金を返せない時の保険商品として発達したのですが、これがいま危機を迎えているようです。でも、対症療法的な対策しか出来ないでいます。
端的に言えば、例えばRPGで強めのモンスターに挑む時、一時的戦闘不能が起きたらパーティの誰でも復活させられるようにしたいですよね。で、「○○の葉」みたいな復活アイテムをパーティのメンバー一人に全部持たせるんじゃなくて、前衛にも中衛にも後衛にも
分散させて持たせてモンスターに臨むと。ところが肝心の戦闘中に、「○○の葉」の本体である「●●の樹」が朽ちて全部ただの葉っぱに変わったような状態がいまの世界経済です。モンスターに殺されたら、そのキャラはもう復活できません。残された手段は転生ですが、元のキャラの情報(名前、お金、経験値、イベントフラグ、アイテム)が全部消えて再入手不可な上にいつどこに転生が行われるか分からない、いや
本当に転生できるかも不明、と。
このまま時間が経てば世界経済は信用収縮が加速し、企業は突然死を警戒した金融機関からお金を借りられなくなり、経済活動が止まり、異常な数の企業倒産が発生します。
日本はまだ直接的な影響は低いのですが、いままで国の政策として日本は輸出に力を入れてきました。自動車や工業用機械などを外国に売って商売をしてきたのですが、その買ってくれる相手が外国で倒産しまくったら商品を売れませんよね。
結果として日本も商売が旨くいかずに景気が悪化します。景気の悪化により膨大な失業者が街にあふれ、大小様々な犯罪が日常化し、日常生活における「未来」という言葉はせいぜい数時間後までしか通じなくなります。これが世界中で起こるのが世界恐慌なわけです。
・・・日本は比較的恵まれていますが、どうなるか分かりません。で、世界恐慌が見えてきたんですが、この後どうなるのか愚考していました。――はっきり言って分かりません。20世紀初頭に発生した世界恐慌は一応数年で収束したようですが、今回の危機は
10年以上続くと考えている人もいるようです。
それでも、『世界恐慌はいつか終わる』と仮定するなら(「恐慌が終わらない可能性を無視すれば」)、自動的に選択肢が決まるのではないかと僕は考えています。単純化するのは危険ですが、個人的には3つの選択肢に分けられる2つの可能性があると思います。列記すれば――
可能性1:「リセットボタンコース」従来型の世界経済を
復元するコース。
→選択肢1「引きこもりルート」=対症療法を繰りかえし、民間が返済できない借金を国家が背負う。方法は公的資金投入といういわば『国の借金』を重ねるだけ重ねて、ツケをまだ生まれていない子々孫々の代に丸投げする。
→選択肢2「修羅道ルート」=資源戦争を開始する。陰謀・諜報・すべての暗闘を駆使して戦場を開く。始めは爆撃などの遠距離からの兵器投入から始め、参加者の主要勢力のどこかが武器を使い切るまで徹底的に殺し合う。勝った国が資源を実質的に総取りし、経済活動を再開する。
可能性2:「リニューアルコース」べつの社会システムを
構築するコース。
→選択肢1「発明ルート」=21世紀型のニューディール政策を世界規模で実施。オイルダラー等の抵抗もあるかも知れないが、基本的には消費型ではなくて循環型エネルギー資源/市場の開発を行い、世界経済2.0を立ち上げる。コア技術を握った国家が一時的な世界経済の盟主となる。
正直、世界が何を選択するか分かりません。でも確かなのはとてつもない社会変動が予想されることと、人類全体に苦難が強いられることでしょうか。楽観は決して出来ませんが、20世紀の歴史を考えるに『
結局リアルに生き残った奴が勝ち』ではないかと思っています。どんな苦綻の底でも、生き残る意志だけは持ち続けましょう。
ラ・ヨダソウ・スティアーナ(別れの合い言葉、意味はない)。
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